横浜市内のスーパーで高級酒を盗んだとして、窃盗罪に問われている元巨人投手で無職の小野仁被告(47)の公判が10月19日、横浜地裁で開かれた。
【写真】「執行猶予中に窃盗」でまた逮捕!「前科2犯」巨人ドラ2投手の転落人生
小野被告はウイスキー7本、計3万5302円分を、持参した大型の手さげバッグに入れたところを保安員に見つかり事務所に連れて行かれたが、隙を見て逃走。その後、防犯カメラの映像などによって特定され、横浜市内の自宅で逮捕された。
小野被告は前科2犯。2017年に窃盗罪で有罪判決を受けたが、2022年1月にもウイスキーやシャンパンなどを盗んだとして逮捕され、2022年5月に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を受けていた。
今年9月12日の初公判では、前回の公判でも弁護側の情状証人として出廷した実姉が再び証言台に立ち、身内としての複雑な思いを明かした。
「縁を切りたいがやはり弟なので助けたい」
「(前回の判決後)母、私、妹、私たち家族全員で支えていくと決めました。ただ、私には自分の家族がいて仕事もあったため、母が一緒に生活して弟を支えていました。(その間は)弟が問題を起こしたことはなかったです。
しかし、妹が病気になってしまい入退院を繰り返しており、母はサポートのために弟のそばから離れました。母は悩んだと思いますが、弟を信じた。でも、それが原因となってしまいました。
かける言葉がありません。もう、つける薬がない。前回も思いましたが、こんなにバカな男だと思いませんでした。今回のことはもう許すことができなくて。縁を切りたいが、やはりどんなに考えても弟なので。助けたいという気持ちでここに来ました。
私としては保釈しないでそのままのほうがいいと思いましたが、母のどうしてもという強い願いもあり、母のために家族3人で工面して保釈金を用意して保釈申請しました。いま弟は母と二人で。母の料理を食べたりして穏やかに暮らしています」
本人が語った「盗みに走った理由」
10月19日は被告人質問が行われ、小野被告本人の口から再び犯行におよんだ理由が語られた。
まず弁護人による質問が行われ、スーツにネクタイを締めた姿で証言台に立った小野被告は、こう弁明した。
「就職ができず、お金に困ってしまって犯行に及んでしまいました。前回のことが終わって、就職活動をしましたが、犯罪者というレッテルがあった。元プロ野球選手ということで、(報道で)名前が出てしまい、それが障害となりました。知人のつてを頼って就職活動しましたが、断られるという状況が続き、自分の心もそこで折れてしまいました」
続けて「やってはいけないという思いはあったか?」と問われると、次のように説明した。
「踏みとどまらなければいけなかったが、自分の弱さから同じ犯行をしてしまいました。『もう2度とやりません』と言いながらまた同じことをしてしまったので、自分自身の言葉への信用性、信頼性はゼロです。
おそらく『また頑張ります』『反省しています』『もうやりません』と言ってもウソに聞こえてしまうのではないかと思っています。ただ、本当に申し訳ない気持ちです。深く謝罪する気持ちでいっぱいです」
現在は保釈中の身だが、アルバイトをして生活費を稼いでいるという。
小野仁